JCAT NY

ニューヨークに拠点を置き、300名以上が所属している日本人現代アーティストチームです。海外での活動に挑戦するアーティストたちをサポートしています。

JCATアーティストインタビュー Vol.1 Keizan

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Keizan は1960年に京都に隣接する滋賀で生まれた。幼少より書や画に興味を持ち特に成人してからは、京都の寺社を訪れ書画を鑑賞してきた。また、書道、篆刻水墨画などを教室で学んだ。外国語を学んだため、西洋諸国の人々に東アジアの芸術を紹介したいと願うようになった。アジアの人々には日本の芸術を通じて交流したい。もうひとつは、水墨画の新しい境地を開きたいと思っている。現在の水墨画はパワーを失っている。水墨画を復興するのは書の訓練を積んだ者だ。私は白隠曾我蕭白水墨画を鑑賞して、古い作品がパワフルであることに衝撃を受けた。古典的作品の紹介と同時に、水墨画に革命をもたらし、最後は日本に根付かせるのが私の夢だ。

 

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はじめまして、こんにちは!

JCAT NYのブログをお読みくださり、ありがとうございます🗽🧡

JCAT NYアドバイザーとしてアーティストの皆さんをサポートさせていただいております、MIOといいます。

このブログでは、日本人アーティストが海外で活動するためにはどうすればよいのか?をテーマに、様々な記事を執筆していく予定です。

今回は、ブログ記事の第一弾として、世界を舞台にアーティスト活動をしているJCATアーティストのお一人にインタビューをお願いすることとなりました。

インタビューを通して、より多くのブログ読者にJCATアーティスト自身やその作品をご紹介したり、世界でアーティスト活動をするための心構えなどを知るきっかけとしていただけたら……と考えています。

それでは、下記、JCATアーティスト・Keizanさんのインタビュー記事をお楽しみください♩

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2021年5月31日、午前11時。水墨画や水彩画をメインに作品を制作しているKeizanさんに、Zoomインタビューをお願いすると、快く承諾してくれた。

 

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Keizanさんの作品は、激しいエネルギーや新しいものへの好奇心に満ちている。Facebookに投稿される日常を拝見していると、フットワークが軽く、日々新しく多様な挑戦を繰り返しておられてとてもワクワクさせられるが、その生き方は、彼の作品の上で存分に表現されていると感じる。

 

ー 「第二の人生はアーティストだ!」

Q. アーティストを志すこととなったきっかけを教えてください。

Keizan「小さい頃から絵や書が得意だったんです。仕事関係では(絵や書に)それほど強い関わりはなかったのですが、何かのきっかけで絵や書をかくと、上手く出来る。だからもう一度やろうと思いました。
3月で仕事が退職となり、第二の人生はアーティストだ!と思ったんです。
JCATとの関わりもあり、絵や書をかなりかくようになり、いろんなところに出展するようになりましたね。作品制作をライフワークだと思って、アーティスト活動をしようと思っています。」

 

Q. JCATに入られた理由・経緯は?

Instagramをやっていて、毎日描いたものや書を上げていたら、フォロワーが1000名を超えたんです。
そこでJCATからDMがきて、アメリカのギャラリーに作品を出してみないか?とのお誘いをいただきました。語学はやってきたし、外国への憧れもあったので、嬉しかったですね。2018年に作品を持って展示を見に行き、JCATディレクターのArisaさんと知り合いになったんです。」

 

Q. 制作する上で、インスピレーションを与えてくれるものは何ですか?

「ひとつは、自然。特に、花。近くの神社でものすごく大きな花が咲くのですが、それをモチーフにするといつもいい作品ができた!と思います。
日本各地で、桜や梅を描くこともあります。

あと、家から京都まで20分で行けるんですけど、京都のお寺の木蓮がとても綺麗で・・・木蓮が死に絶えようとしているのを、支柱で支えているんですね。でも春になると満開、とても美しく咲きます。その木蓮をスケッチするとスピリチュアルなものを感じて、帰るときにはいつも元気な気持ちになります。

自然以外のインスピレーション源でいうと、京都にある狩野派琳派の作品もそうですね。」

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ー 「日本人の根底にある激しい表現が、いま非常に気になっています」

Q. 影響を受けたアーティストや、人物がいれば、教えてください。

アメリカのポップアートが好きです。バスキアキース・ヘリングとか好きですね。特にキース・ヘリングが好き。彼が持っている哲学など……自由や人間の権利をいつも志向しているところです。日本人にはそういうところが欠けているのではないか?と思われますね。

一方で……岡本太郎の作品も好きです。根底としてあるのが縄文時代の自然の荒々しいスピリチュアルなもの。
曽我蕭白伊藤若冲とかもすごくいいですね。日本人の根底にある激しい表現が、いま非常に気になっています!」

 

ー 「君の鳥が私のコックピットに飛んでるよ」

Q. JCATで出会ったコレクターの方とのエピソードを教えてください。

【2018年のWe展(https://www.jcatny.com/we-exhibition)で売約となった作品のエピソード】
妙蓮寺というお寺に、梅の木が1本植わっていて、寒い中で気丈に咲いていたのを、水墨画で描きました。それをNYのコレクターさんが買ってくれたんですね。しかしその後、その梅の木が老木だったので、やむをえず刈り取られてしまいました。この妙蓮寺では、ビジネスとして新婚さんを招いて記念撮影をしているんですが、新婚さんがいらっしゃった際に、住職の方が「この梅の木は切り取られたけど、ある画家の方がこれを描いてNYの方が買われて、永遠のものになった・・・と話してくださっているのだそうです。

【Invisible Rules of Japan(https://www.jcatny.com/invisible-rules-of-japan) というJCATからの出版物のため、日本の習慣を描いたパステル画を2枚購入されたコレクターとのエピソード】
このとき買ってくれたのが、海外のパイロットの方でした。その方にThank You Letterを描いたところ、「君の鳥が私のコックピットに飛んでるよ〜」と送ってくれたのが、下記の写真です。うれしかったですね〜。

 

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ー ”上手く描こう”というのはしなくていい

Q. これからJCATにJoinする方に、何かアドバイスや伝えたいことがあれば教えてください。

「1つは、なんでも人からやってみないか?と言われたら、不安に思わずに軽いノリでやってしまうこと!
JCATから誘われたときも、アメリカって面白い国だから、なんとかなるだろう!やってみよう〜という気持ちでした。

あとは、”上手く描こう”というのはしなくていいと思います。日本人がよくやることですね。もちろん、スキルは磨いたらいいと思いますが、上手く描くことが主体になってしまうと、これはアートにとっては邪魔になるでしょう。自分のイメージに近いものを描けば成功すると思う。
例えば、水墨・水彩画を描くときは、綺麗に簡単に描けそうなものを選ぶ人が多いんです。でも自分は、面白い!と思ったら、難しいと思うものをわざわざ選びます。」

 

ー 伝統的な技法を使って、新しいものを描くという展開にしないと

Q. アーティスト活動をする上での夢・目標を教えてください。

「書と、水墨画。この二つの世界でいうと、伝統的な因習に縛られて、やる人がどんどん少なくなっています。皆、中国の見たことない山、霞がたなびいている山ばかりを描いている。モチーフを限定しないでもっといろんなものを描けばいいと思うんですよね。

たとえば、私は中国の見たことない山ではなく、自宅マンションから見える山に雨が降っている様を水墨画で描きました。それをある公募展に出したところ、三席をもらったんです。

 

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他にも、松林の中にUFOが飛んでいる作品や、竹林の中にドローンが飛んでいる作品を描いています。だるまにミニスカの女の子が抱きついている様子を描こうと思いたったこともあったのですが、調べてみたところ、もうすでに描いてる方がいたんですよ!(笑)

こういう、面白いものを描けばいいと思いますね。海外の人たちも面白がります。伝統的な技法を使って、新しいものを描くという展開にしないと。曽我蕭白なんかめちゃくちゃな絵を描いてますし……あれはエログロの極致と言えますよね。

古典的なお手本があって、それをそっくり真似るのではなく、古典的な技法を使いながらも、新しいものを描き、現代書道という芸術を日本に再生させるのが目標です。」

 

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インタビューの最後に、Zoom会議の画面をスクリーンショットして、記念撮影をさせていただきました 🌟📸🌟

 

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Keizanさん、この度はインタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました!✨

 

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後日・・・

Keizanさんも出展されている【ART SHODO FESTA 2021】がインタビューの4日後よりちょうど開催され、会場である三鷹市芸術文化センターも私の住まいからほど近かったため、訪問して参りました。

会場入ってすぐに展示されていたこちらが、Keizanさんの作品です!

 

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漫画の書き文字を書で表現することにより、日本語を知らない外国人の方でも筆致等から勢いを感じたりして、ニュアンスを汲みとれるのではないかと思いました。世界を見据えた表現が素晴らしいです。


他にも、「文字」や「墨」をテーマに多種多様な表現をされている作家さんたちが在廊されており、ご丁寧に解説してくださったのがとても嬉しかったです。
例えば、映像メディアディスクに北海道の大自然の映像を焼いて一通り流したあと、人為的営みの象徴としてディスクの裏面にペンでグリグリと文字を書き再度映像を流す。すると大自然の映像は黒く汚れて最後には映らなくなる。人間のみがつかう文字をテーマに環境問題を表した面白い作品です。
また、海外の方でも理解しやすいモチーフとして 万国共通の分子構造を青墨で表現されて、青墨自体の美しさと構図としての面白さを研究されている方などいらっしゃいました。


私自身も小学生の頃6年間書道と向き合いましたが、基本的に上からの塗り直しが効かなかったり、少しの呼吸の乱れがすぐに紙の上に出てしまったり、とても精神性の問われる芸術であると今になって思います(芸術はどれも精神性の問われるものでしょうけれど)。

わたしがアートを好きな理由というのも、そこに人間(精神性や努力の跡)が表れるからというのが大きいです。
書道をはじめ華道や茶道等「道」と名の付く芸術について、より深く知ろうとこちらの展示に伺って改めて思いました。

 

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💎JCATメンバー参加には、審査がございます。💎

 

下記より審査フォームをご記入・ご提出いただき、ぜひこの機会に、JCATメンバーシップへご参加くださいませ。

▼審査フォームはこちら❣️

https://www.jcatny.com/jcatmembers

海外でアーティスト活動をされたいアーティストの皆さまからのご連絡を、心よりお待ちしております。

 

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💐JCATディレクター著書
▼ 「学校では教えてくれないアーティストのなり方」はこちら ▼

https://www.amazon.co.jp/dp/4861132231?tag=note0e2a-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

 

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【NEWS】

🌟JCATメンバー限定、アメリカ・NY展示会のお知らせ🌟

この度、JCAT NYは、アメリカはニューヨーク・チェルシーでJCATメンバー限定の展示会を開催いたします!✨

世界の中心ニューヨークのチェルシーで展示することは、世界中の多くのアーティスト夢でありアーティストとして大きく成長する大きなステップであり、そこから大きなチャンスを得られる可能性も期待できます!

あなたの作品を、ぜひニューヨークから世界に向けて発表してみませんか?

 

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JCATメンバーだけが参加できる展示会『JCAT Exhibition 』。
毎回違ったテーマの展示会をニューヨーク(チェルシー、トライベッカ)、ヨーロッパ(パリ)など、世界各地で開催しています。JCATの展示会に来られるゲストの約90%はニューヨーク在住の外国の方(NY開催の場合)、
海外でご自分の作品を観覧された方からどういう反応が得られるのかを知り、ご自身のアート活動の道標となり得る、素晴らしい経験になることと思います。

 

2020年2月に開催されたMade in Japan日本語版プレスリリース
https://drive.google.com/file/d/1OLM5H-2JZWMThBrkC54Vgh6cjEfFc2vq/view?usp=sharing

 

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▲実際にNYで行われた展示会<WE>展(2019)の様子

 

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🔴募集要項

応募作品テーマ:  Made in Japan

今回のJCAT Exhibitionは、日本という国が世界各国で誰にでもわかりやすく伝わるテーマ ”Made in Japan" と致しました。
JCATメンバーだからこそ創造できるあなただけの”Made in Japan"を、世界の中心地であるニューヨークのチェルシーから、発信していきましょう!

By JCAT Director Arisa Itami

🌻開催期間: 2022年7月12日(火)〜7月30日(土)開催
🗽開催地:Noho M55 Gallery http://www.nohogallery.net/

参加資格:JCATメンバー限定

*ご参加は有料となります。

 

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▲JCATアーティスト・Colorhythm Risaさんによるパフォーマンスの様子

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”世界の中心ニューヨークのチェルシーで展示することは、世界中のアーティストの夢であり大きなクレジットになって、自分のバイオグラフィーに一生残すことができます。”

参加作品数が上限に達し次第、募集終了となりますので、どうぞお早めに❣️

 

◯詳しくは下記メールアドレスまでお問い合わせください。

info@jcat-ny.com

 

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Written by MIO